古い住宅の屋根材として、セメント瓦はかつて広く使用されていました。
しかし、その中にはアスベストが含まれている可能性があり、健康への影響が懸念されています。
そこで今回は、アスベスト含有の可能性があるセメント瓦について、その安全対策方法をご紹介します。

□アスベスト含有の可能性があるセメント瓦とは?
1970年代から1980年代にかけて、セメント瓦は建築材料として非常に人気がありました。
安価で耐久性に優れていたため、多くの住宅の屋根に使用されました。
しかし、この時代のセメント瓦には、アスベストが含有されている可能性があります。
1:アスベストとは
アスベストは、天然の鉱物繊維です。
かつては、その耐熱性や耐火性、強度から、建築材料や自動車のブレーキパッドなど、様々な製品に使用されていました。
しかし、アスベストは吸入すると肺がんや中皮腫などの深刻な健康被害を引き起こすことが判明しました。
そのため、現在ではアスベストの使用は厳しく規制されています。
2:セメント瓦にアスベストが含まれている可能性
1970年代から1980年代に製造されたセメント瓦には、アスベストが添加されている場合があります。
アスベストは、セメント瓦の強度を高めるために使用されていました。
そのため、この時代のセメント瓦を使用している住宅では、アスベストが含まれている可能性があることを認識しておく必要があります。
3:アスベスト含有の可能性を確認する方法
セメント瓦にアスベストが含まれているかどうかを確認するには、いくつかの方法があります。
・国土交通省の「アスベスト含有建材データベース」で検索する
国土交通省では、アスベスト含有建材のデータベースを公開しています。
このデータベースで、セメント瓦の製造メーカーや製造時期を調べられます。
・専門会社に依頼する
アスベスト含有の有無を確実に確認したい場合は、専門会社に依頼するのがおすすめです。
専門会社は、アスベストの分析を正しい方法で実施できます。
4:アスベストが確認された場合の対応
セメント瓦にアスベストが含まれていることが確認された場合は、適切な対策が必要です。
アスベストは、そのまま放置すると健康被害のリスクが高まります。

□アスベストを含む瓦の安全対策方法
アスベストを含むセメント瓦に対しては、適切な対策を講じる必要があります。
ここでは、アスベストを含むセメント瓦の安全対策方法を3つ紹介します。
1:塗装
アスベストを含むセメント瓦に、アスベストの飛散を防ぐ効果のある塗料を塗布することで、健康被害のリスクを軽減できます。
アスベスト対策用の塗料は、アスベストの飛散を抑制する効果があり、安全な環境を確保できます。
2:葺き替え
アスベストを含むセメント瓦を撤去し、新しい屋根材に葺き替える方法です。
この方法は、アスベストの飛散を完全に防ぐことができるため、最も効果的な対策と言えます。
しかし、解体や廃棄には専門的な知識と技術が必要となるため、専門会社に依頼することが重要です。
3: カバー工法
既存のセメント瓦の上に、新しい屋根材を重ねて葺き替える方法です。
この方法は、葺き替えに比べて費用を抑えられます。
しかし、重ね葺きをすることで屋根の重量が増加するため、構造強度を十分に確認する必要があります。
□まとめ
セメント瓦にアスベストが含まれている可能性があることを理解し、適切な対策を講じることが重要です。
アスベスト含有の可能性を確認し、その結果に基づいて、塗装、葺き替え、カバー工法などの対策を選択しましょう。
アスベストは健康被害を引き起こす可能性のある危険な物質です。
安全な住環境を守るため、適切な対策を講じることが大切です。
