建物の外観を長期間美しく保ちたいというニーズに応えるためには、高機能で耐久性のある塗料が必要です。
この記事では、そんなニーズに応えるラジカル塗料について詳しく解説します。
ラジカル塗料の特徴やメリットを理解することで、その優れたコストパフォーマンスと耐用性を知り、建物の外観維持に役立てましょう。
□ラジカル塗料とは何か?
ラジカル塗料は、近年登場した新しい種類の塗料です。
これまでの塗料とどのように異なるのか、その仕組みを詳しく見ていきましょう。
1:ラジカルとは何か
ラジカルとは、酸素や紫外線、水などが顔料に接触することで発生する劣化因子のことを指します。
従来の塗料では、このラジカルが発生しやすく、塗膜の劣化を早めてしまいます。
しかし、ラジカル塗料は、この劣化因子であるラジカルの発生を可能な限り抑える効果を持っています。
そのため、長期間にわたって塗膜の劣化を防ぐことができるのです。
2:従来の塗料との違い
従来の塗料は、アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素などの主成分となる樹脂の違いによって分類され、それぞれの特徴や値段、メリット・デメリットが異なります。
しかし、ラジカル塗料はこれらの樹脂とは異なり、特殊な成分を配合することでラジカルの発生を抑制します。
ラジカル塗料のベースとなるのは、アクリル樹脂系塗料やシリコン樹脂系塗料などの従来の塗料です。
そのため、ラジカル塗料は水性と溶剤タイプの1液型があり、塗料メーカーによってはベースとなる樹脂名を公表していない場合もあります。
3:ラジカル塗料の仕組み
ラジカル塗料には、ラジカル抑制のために高耐候酸化チタンと光安定剤という2つの成分が配合されています。
高耐候酸化チタンは「ラジカルバリア」という能力を持ち、ラジカルを発生させる成分「酸化チタン」を制御します。
一方、光安定剤は発生したラジカルの発散を抑える効果があります。
これらの成分の働きにより、ラジカル塗料は劣化しにくく耐候性の高い塗膜を形成できます。
□ラジカル塗料のメリット
ラジカル塗料の最大の魅力は、その高い機能性とコストパフォーマンスです。
以下では、具体的なメリットとその効果について詳しく説明します。
1:手頃な価格で高機能を実現
ラジカル塗料は、コストパフォーマンスが高いと言われるシリコン塗料と比較しても、期待耐用年数が長く、価格もそれほど高くありません。
このため、手頃な価格で高機能を追求することができます。
長期的に見れば、耐久性が高いため塗装回数を削減でき、結果としてコストパフォーマンスが非常に良くなります。
2:多様な下地材に対応
ラジカル塗料は、コンクリート、セメントモルタル、ALCパネル、スレート板、各種サイディングボード、各種旧塗膜など、多くの下地材に塗装できます。
これにより、多くの建物でその性能を発揮することが可能です。
3:優れた耐用性と防汚性
ラジカル塗料は、新しい成分を配合することにより、優れた耐用性と防汚性を実現しています。
以下でその具体的な機能性を見ていきましょう。
・耐用性
外壁材の劣化原因の一つである紫外線に対して高い耐性を持っています。
紫外線の影響を受けると、外壁は「チョーキング現象」と呼ばれる粉吹き現象を起こします。
ラジカル塗料は、紫外線や水などの影響に対する耐性を高めることで、外壁劣化の進行を抑制します。
・防汚性
ラジカル塗料は光沢(つや感)を高めることで、美観性だけでなく、防汚性も向上させています。
藻やカビは外壁の劣化した場所、特に表面にザラつきや凹凸があるところに発生しやすいですが、高光沢を実現することで表面のザラつきを抑え、藻やカビの発生を防ぎます。
□まとめ
ラジカル塗料は、劣化因子であるラジカルの発生を抑えることで、従来の塗料に比べて優れた耐候性を持っています。
手頃な価格で高い機能性を追求でき、長期的な耐用性と防汚性も兼ね備えています。
多様な下地材に対応し、多くの建物でその性能を発揮できるラジカル塗料は、建物の外観を長期間美しく保ちたいというニーズに最適です。
これから塗装を考える際には、ラジカル塗料の採用を検討してみてはいかがでしょうか。