足場には、一面だけ組む方法と二面組む方法があります。
しかし、それぞれの違いやどのような場面で主に用いられるのか、よく知らない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、一面だけ足場を組む方法と二面組む方法の違いや、足場を組む際に注意すべきことについてご紹介します。
□一面だけ組む足場と二面組む足場の違いとは?
一面だけ組む足場のことを「一側足場」と呼びます。
縦方向の支柱が一本であり、ブラケットを取り付けた足場を建物の片面のみに設置する方法です。
この方法は戸建てをはじめ、足場に十分な敷地を確保できない環境で用いられることが多いです。
また、倒壊防止のために壁つなぎや挟みこみを行い、強度を上げる必要があります。
一方で、足場を二面組むことを「二側足場」と呼びます。
縦方向の支柱が内側と外側の二本あり、間に広い足場を設置する二列建地の足場のことです。
足場の設置に十分な敷地が必要になるため、広い敷地が確保できる環境で用いられることが多い方法です。
また、高い建物や大きな建物では倒壊のリスクが高まるため、二側足場を組むことが多くなります。
倒壊防止のためにアンカーを使い、壁つなぎを行います。
□一面だけ足場を設置する際の注意点
*安全管理の徹底
一側足場は手すりが片側にしかなく、使用する際には墜落制止用器具を併用することが必要です。
一側足場は使用する部材の数が二側足場よりも少ないため、コストを抑えられるメリットがありますが、構造上の転落の危険性が高く、転落・墜落事故も実際に起こっています。
そのため法が改正され、幅が1m以上の場所では、コストを抑えられるからと一側足場を選択できず、二側足場の使用が義務付けられています。
*足場の点検は入念に行う
足場の点検は、以下のタイミングで行います。
1.足場の組み立て後、変更後、一部解体後
2.作業前や使用前
3.大雨・強風などの悪天候や地震の後
このうち1と3は注文者が行い、2は実際に足場を使用する会社が行います。
また、定期的なパトロールによっても足場の点検を行いますが、足場に登ったあとに指摘すべき項目があとから見つかることが多いです。
足場に多少でも不備があると、その箇所から転落する可能性があり大変危険なため、転落事故を防ぐためにも点検は責任をもって行うようにしましょう。
点検は指摘された点検者が行わなければならず、万が一不備があった場合の責任は点検者に問われます。
□まとめ
一面だけ足場を組む方法を「一側足場」、二面足場を組む方法を「二側足場」といいます。
一面だけ足場を組む方法のほうが安全性が低いため、特に入念な点検を行う必要があります。
一側足場は安全面が二側足場に劣るため、幅が1m以上の場所では二側足場の使用が義務付けられています。