「モニエル瓦」について聞いたことがなく、どのようなものなのかよく分からない人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、モニエル瓦とは何かと、モニエル瓦にアスベストは含有されているのかどうかについてご説明します。
□モニエル瓦とは？
モニエル瓦とは、セメント瓦の一種で、主にセメントと砂を混ぜたものからできています。
セメント瓦は、特に1970〜1980年代の住宅が不足していた時期に多く生産されていた瓦で、現在はガルバリウム鋼板や化粧スレートなどが開発されたことで、新たに製造されることはあまりありません。
モニエル瓦には、セメントの着色剤である「着色スラリー」が厚めに塗られていて、更にその上にアクリル樹脂系のクリアー塗料を塗って完成させます。
モニエル瓦は断熱性や耐震性に優れているだけでなく、梅雨の時期や台風による大雨や強風、悪天候にも耐えられる防水性を備えているのが特徴です。
□モニエル瓦にアスベストは含まれている？
アスベストとは、天然に存在する繊維状ケイ酸塩鉱物のことで、繊維が細かいため気づかないうちに人が飲み込んでしまう可能性があります。
アスベストを飲み込むことで、肺繊維症や肺がんの原因になるとされており、潜伏期間が15〜40年と長いため気づきにくいです。
モニエル瓦を含むセメント瓦は、1970〜1980年代によく使われていた屋根材のことで、このころ製造された建材は、断熱性や耐久性向上のためにアスベストを含むものがほとんどでした。
ただし、現在のセメント瓦は厚みがあるため、耐久性を上げるためのアスベストを含んでいる商品はそれほど多くありません。
アスベストを含んでいるかどうかについては、国土交通省が運営する「アスベスト含有建材データベース」で確認できます。
また、瓦を一枚試し割りしてみて、内側に繊維状のアスベストが含まれているかどうか目視する方法もありますが、危険なため専門の会社に依頼するようにしましょう。
ただし、瓦にアスベストが含まれていても、瓦がかけたり割れたりして中のアスベストが露出していない限りは、健康被害が起こる可能性は低いです。
□まとめ
モニエル瓦とは、セメントと砂を混ぜたもので作られている、セメント瓦の一種です。
モニエル瓦は耐久性や断熱性、防水性が高いのが特徴です。
アスベストとは繊維状ケイ酸塩鉱物のことで、誤って飲み込むと肺繊維症や肺がんを引き起こすことがありますが、瓦がかけたり割れたりして中のアスベストが露出していない限り、健康被害が起こる可能性は低いです。
