屋根塗装を検討中の方の中には、縁切りという言葉についてよく分からないという方も多いと思います。
そこで今回は、春日市の方に向けて縁切りについて紹介します。
□縁切りとタスペーサーについて紹介
屋根塗装を行う際に、必要な工程として「縁切り」があります。
これは、一般の方はなかなか聞いたことがない言葉だと思います。
しかし、これを行わないでいると雨漏りの原因になるため、しっかりと縁切りについて知って自身の家の屋根が正しく縁切りされているかをチェックしておきましょう。
一般的に、スレート瓦と呼ばれる屋根が使用された家では、塗装の際に屋根材と屋根材の間に塗料が入り込んでしまいます。
こうすると、隙間が完全に埋まってしまいますよね。
屋根に隙間がなくなると聞くと、雨が入り込まず、一見雨漏り予防になっていると思われる方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、隙間がないと雨水が外に出られないため、むしろ水を内部に留めてしまいます。
雨が外に出ていくための逃げ道を塗料でふさいでしまうため、内側の建材を腐らせたり、雨漏りしたりする原因になるでしょう。
「縁切り」とは、このように塗料で塞がってしまった隙間を、ヘラやカッターを使って切り離していく作業を指します。
これは、ひとつひとつの屋根材をチェックして、隙間を丁寧に処理していく必要がある工程になるため、非常に手間がかかります。
手間がかかる分、家をトラブルから守るために大切な工程でしょう。
しかし、一般的に知られている工程ではないため、業者によっては省こうとしたり、詳しい説明をしないままにしたりする場合があります。
このような細かい作業を面倒がらずに丁寧に行ってくれる業者に依頼することがおすすめでしょう。
縁切りをする方法には2種類あります。
現在では、タスペーサー工法と呼ばれる方法が主流になっていますが、どちらについても紹介します。
*従来の縁切り工法
こちらは、昔から使用されている工法です。
ヘラやカッターを使用して手作業で隙間に溜まった塗料を切っていきます。
屋根材をひとつひとつチェックしながら作業を進める必要があり、腕の良い職人さんに依頼することが重要でしょう。
*タスペーサー工法
タスペーサー工法とは、タスペーサーと呼ばれる小さいパーツを、下塗りと上塗りの間のタイミングで隙間に差し込んでいく工法です。
従来の縁切り工法のように、カッターやヘラで行う作業が必要ないため、作業が短期間で完了できるメリットがあります。
このようなメリットからこちらが主流になっていますが、屋根のタイプによっては従来の縁切りをする場合もあるでしょう。
□縁切りが不要な屋根もある
先ほど縁切りは屋根から水を逃すために大切な工程だと紹介しました。
スレート瓦を使用した屋根では、基本的には縁切りの作業が必要だとされていますが、中には例外があります。
まず、1つ目は屋根の勾配が急なケースです。
5寸や6寸、またはそれ以上に角度がついている屋根については、縁切りをしなくてもスムーズに水が流れていくと言われています。
ただし、勾配と縁切りが必要かどうかについては、必ず業者の方と相談しましょう。
縁切りしなくても良い2つ目のケースは、経年劣化で屋根材が反っているものです。
スレート瓦は、築7年が経過した頃から経年劣化して、先端が反り上がることがあります。
反った瓦によってそこに3〜5ミリメートルの隙間ができている場合は、縁切りする必要はないでしょう。
ただし、詳しいプランについては業者の方と相談して決めるようにしましょう。
また、新築後に初めて塗装を行う屋根に関しては、縁切りは必要ないとされています。
隙間が十分に確保されているため、縁切りは必要ないでしょう。
また、中には縁切りが必要ない屋根材も存在します。
例えば、日本瓦を使用している家には必要ないでしょう。
□縁切りをしないとどんなリスクがあるか紹介
まず、縁切りをしないと屋根の下地材にダメージが及びます。
雨水がうまく排水されないと、屋根材の下地を傷めてしまうでしょう。
少し雨水が溜まっているくらいであれば、通常は下地材の上にある防水シートによって守られます。
しかし、長時間にわたって雨水が溜まったままで放置されていると、防水シートの効果が発揮されなくなってしまうため、屋根の内部まで雨水が入るでしょう。
このような状態になると、雨漏りやカビといった被害が発生してしまいます。
次に、屋根の通気性が失われることが挙げられます。
縁切りを行わないでいると、隙間が塞がれたままになってしまうため、屋根の中に湿気も留められてしまいます。
このような状態になると、雨水だけでなく湿気も屋根の中に滞留するため、腐食しやすい環境を作ってしまうでしょう。
そのため、雨水が溜まっている箇所以外の場所のコンディションも悪くなる可能性がります。
縁切りは屋根だけでなく、家全体を守るための工程だと言えるでしょう。
□まとめ
今回は、屋根塗装を検討中の方に向けて、縁切りについて紹介しました。
気になった方は、自身の家の屋根についてチェックしてみてくださいね。